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昼の顔


“ 走るとすぐに夏になるよ ”

そう、君たちは教えてくれたけど、呼吸するだけで夏になるよ。

このビール瓶のような色をしたまんまるの中に見える景色はね、

小魚の群れが向きを変えたる時の煌き…
小アジの銀鱗が音楽堂のステージを群舞する光束…
秋刀魚のしなやかなターンが描く七色の海流…

そんな昼の顔かしら。

浜辺であたしが水平線に、ぼんやりと虚ろな視線を向けてるとね、

陽がチリチリと砂を焼き…
月見草が哀しいほど萎え…
樹木は葉裏を風にひらめける…

これも昼の顔かしら。

きっと、このまんまるはあたしが身を包む程の木陰に座を占めた瞬間、謳うかもよ。

『 金峰の山路に咲ける赤まんまは幼きころの花いちもんめ 』


おしまい

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